1981 年 34 巻 6 号 p. 874-879
各種抗生剤の開発, 使用により, 耐性菌の出現, あるいは, 従来は, 病原性の弱いと考えられていた菌による感染症は, 増加の傾向にある。その対策として, 抗菌力の強化, 耐性菌に対する抵抗性の増強, 抗菌スペクトルの拡大を目指した抗生剤を開発する事により感染症に対する治療は, 進歩をとげている。Cefmetazole (CS-1170) は, 7α位に直接Methoxy基をもち, その点でCephalosporin (CEP) の基本構造と異なるので, Cephamycin系抗生物質と呼ばれている。本剤は, 耐性大腸菌を含むβ-Lactamase産生菌に対して強い抗菌力をもち, 従来のCEPs系薬剤, Penicillin (PCs) 系薬剤が無効であるインドール陽性ProteusやSerratiaにも強い抗菌力をもっている。