The Japanese Journal of Antibiotics
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抗生物質の髄液内移行Fosfbmycinについて
伊藤 治英池田 清延河野 寛一北林 正宏前田 優石瀬 淳二見 一也山本 信二郎
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1982 年 35 巻 11 号 p. 2530-2534

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抄録

Fosfbmycin (FOM) はグラム陽性菌, 陰性菌に対して広範囲の抗菌力を示し, 細菌の細胞壁Peptidoglycan合成の初期過程を阻害して殺菌効果を示し, 毒性が少なく, 他剤との交差耐性を生じ難い薬剤である。更に, FOMは分子量が小さく, 化学構造が簡単で, 蛋自結合能が小さく, 安定な薬剤であるため髄液に移行し易いと想定される。一方, 脳神経外科において中枢神経系の感染症の治療や予防に使用される抗生物質の髄液移行が有効性を決定する必要条件である。今回, 分子量の小さいFOMの髄液移行について, 髄液の体外ドレナージの機会を利用して経時的にFOM濃度を測定し有効性について検討した。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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