The Japanese Journal of Antibiotics
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呼吸器感染症に対するDibekacin点滴静注後の血中濃度と臨床的検討
副島 林造二木 芳人松島 敏春田野 吉彦
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1982 年 35 巻 12 号 p. 2773-2777

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抄録

アミノ配糖体系の抗生剤であるDibekacin (DKB) は, 従来筋注用として広く用いられており, 本剤筋注後の体内動態に関しては, 梅村ら1~3) の解析をはじめ, その他多くの報告4) がある。
しかし近年アミノ配糖体系抗生剤でも, 臨床的に静脈内投与が望ましいと考えられる場合が少なくない。そこで私共はすでに健康成人ボランティアを用いて, DKBの各種投与法による吸収, 排泄について検討した結果, 点滴静注により, 本剤の血中流入速度を適当に調節すれば, むしろ血中濃度のコントロールが可能となり, 副作用発現を防止し, 同時に有効な体内濃度を維持することが出来ると考えられる成績が得られた5)。
今回は呼吸器感染症患者6名を対象として, DKBの点滴静注療法を行い, 投与後の血中濃度を測定し, 同時に臨床効果並びに副作用について慎重な観察を行い, その有用性について検討した。
更に1例にすぎないが, 筋注及び点滴静注後の血中並びに喀疾中濃度を測定比較した

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