The Japanese Journal of Antibiotics
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35 巻, 12 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 真下 啓明
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2723-2735
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 藤森 一平
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2736-2747
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 小田 宗宏, 中村 修治, 小松 すみ子, 神辺 道雄, 土屋 文安, 小宮山 寛機, 梅沢 巖
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2748-2754
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    細菌, 酵母, 担子菌その他植物から培養あるいは抽出により得られた多糖の生理活性に関する研究は多い1~4)。
    著者らは, 有用菌である乳酸菌を培養した後, その上澄液から生理活性物質を検索したところ, 制癌活性等の生理学的作用を有する新規な多糖を単離することができた。本物質はグルコースとガラクトース (2: 1) を構成糖とする中性多糖である5)。本報告では多糖 (以下MPS-80) の制癌活性, 抗ウィルス活性等を明らかにするため種々検討したので報告する。
  • 内海 真, 堀田 知光, 清水 一之, 加藤 泰治, 前田 秀明, 平野 明人, 大西 一功, 村手 隆, 山田 英雄
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2755-2759
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoxitin (CFX) はMerck社で開発されたCephamycin系抗生物質で, 従来のCephalosporin系抗生物質と同様広い抗菌スペクトラムを有する。本剤はβ-Lactamaseに対し極めて安定で, 従来のCephalosporin系抗生物質に耐性のEscherichiacoli, Klebsiella, Serratia, インドール陽性Proteusにも優れた抗菌力を示すと共に, Bacteroides等の嫌気性菌にご対しても有効である1-4)。又, 副作用も比較的少ないとされている5-7)。
    今回, われわれは難治性血液疾患に伴う各種感染症延19例に中等量から大量のCFX (マーキシン注射用) を投与し, その臨床効果並びに副作用につき若干の検討を行つたので, ここに報告する
  • 森川 清見
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2761-2767
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefoxitin (Cefoxitin sodium, CFX) は, Fig.1に示すような構造式を持ち, 1972年Merck社により開発された, 半合成Cephamycin系抗生物質製剤である。
    CFXはβ-Lactam環の7α 位にMethoxy基を有するため, 各種細菌が産生するCephalosporinase (β-Lactamase) に対して極めて安定である。
    CFXは, グラム陰性桿菌のうち, Escherichiacoli, Klebsiella, Proteus, Serratiaや, 嫌気性菌Bacteroides fragilisなどに優れた抗菌力を示すことが報告されている。
    CFXは静注によつて, 速やかに高い血中濃度に達し, 肝, 腎などの臓器への移行が良好である。体内ではほとんど不活化されることなく, 尿中に高濃度で排泄され, 又胆汁中への排泄も良い。又臨床用量での重篤な毒性はないとされている1~15)。
  • 筋注, 1回静注, 点滴静注後の血中濃度の比較
    副島 林造, 田野 吉彦, 二木 芳人, 加藤 収
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2768-2772
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Dibekacin (DKB) は梅沢ら1) によりKanamycin Bから合成された抗生剤であり, 緑膿菌をはじめ多くの耐性菌にも優れた抗菌力を示し, 臨床的にも広く用いられている。しかしその使用法に関しては他のアミノ配糖体系抗生剤と同様筋肉内投与を主とするものである。
    明治製菓中央研究所の小宮ら2) のマウスを用いたDKBの生体内動態と急性毒性の関連についての実験では, 迅速静注に比較し点滴静注ではLD50値が著しく増大し, 筋注のそれに接近し, 点滴時間を適当に設定すれぽ, 筋注の場合と同様点滴静注は臨床上有用であろうと思われると報告している。
    私共も健康成人ボラソティアを用いてDKBの筋注, One shot静注及び点滴静注後の血中濃度を測定し, 点滴静注法が臨床的に用い得るものであるか否かについて検討した。
  • 副島 林造, 二木 芳人, 松島 敏春, 田野 吉彦
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2773-2777
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アミノ配糖体系の抗生剤であるDibekacin (DKB) は, 従来筋注用として広く用いられており, 本剤筋注後の体内動態に関しては, 梅村ら1~3) の解析をはじめ, その他多くの報告4) がある。
    しかし近年アミノ配糖体系抗生剤でも, 臨床的に静脈内投与が望ましいと考えられる場合が少なくない。そこで私共はすでに健康成人ボランティアを用いて, DKBの各種投与法による吸収, 排泄について検討した結果, 点滴静注により, 本剤の血中流入速度を適当に調節すれば, むしろ血中濃度のコントロールが可能となり, 副作用発現を防止し, 同時に有効な体内濃度を維持することが出来ると考えられる成績が得られた5)。
    今回は呼吸器感染症患者6名を対象として, DKBの点滴静注療法を行い, 投与後の血中濃度を測定し, 同時に臨床効果並びに副作用について慎重な観察を行い, その有用性について検討した。
    更に1例にすぎないが, 筋注及び点滴静注後の血中並びに喀疾中濃度を測定比較した
  • 原田 進, 城戸 優光, 加治木 章, 中島 康秀, 黒岩 昭夫
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2779-2784
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 呼吸器感染症に対して, β-Lactam系抗生剤である合成Penicillin剤やCephalosporin剤が好んで多用され, その結果, β-Lactamaseを産生する耐性菌の増加が報告されている。Cefmetazole (CMZ) は, 三共株式会社中央研究所で開発されたセファマイシン系抗生剤1) でその化学構造は, Fig.1に示すとおり, Cephem環7α位にMethoxy基を有するセファマイシンCの誘導体である。本剤はCS-1170として, 臨床治験の段階から, β-Lactamaseに対して強い抵抗性を有し2),Escherichia coli, Klebsiella,Proteus,Serratia, 嫌気性菌にも有効な, 広範囲スペクトルの新抗生剤3, 4) として高く評価されている。
    今回, われわれは, 呼吸器感染症10症例に, CMZを投与し, その臨床効果及び副作用について検討したので報告する。
  • 小野 啓郎, 多田 浩一, 中村 昌弘, 浜田 博朗, 原田 一孝, 水島 哲也, 山本 利美雄, 松河 光弘, 倉田 陽一
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2785-2796
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    整形外科領域における感染症には, 主として骨髄炎及び化膿性関節炎がある。手術を契機に生じる感染症の場合, 感染経路は生体内の常在菌の血液移行, 術中の落下細菌, 術野皮膚細菌からの感染がある。骨及び関節は他の組織に比べ抵抗力が弱いため感染を起しやすく, 一旦感染を起すと症状は慢性化し治療が困難となり, 治療期間も長期に亘ることになる。こうした感染症の治療に際しては, 感染巣切開による排膿, 病巣の主掻爬後, 抗生剤の局所投与及び全身投与が行われる。最近感染部位から検出される起因菌はグラム陰性桿菌が増加する傾向にあり, 耐性菌の出現頻度も高まつていることから, 投与薬剤の選択には十分配慮する必要がある。今回われわれは感染症及び術後感染予防に硫酸アミカシン (AMK) を投与し, その臨床効果及び副作用について検討する機会を得たので, その成績を報告する
  • 中川 圭一, 保田 隆, 中島 良文, 渡辺 泰男, 野口 雅志, 鈴木 貴
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2797-2804
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Piperacillin (PIPC) は富山化学工業株式会社に4おいて開発された注射用ペニシリン剤で, Fig.1に示す構造式を有する。本剤はグラム陰性菌・陽性菌から嫌気性菌まで幅広い抗菌スペクトラムと強い抗菌力を有し1, 2), 各種感染症に対して優れた成績が得られている3)。その襄付けの一つとなるPIPCの薬動力学的解析は才川ら4) によつて1, 2gの静脈内投与で行われている。
    しかし, 重篤な基礎疾患や感染防禦能の低下を伴う難治性の感染症には1回49以上の投与例が多くみられる5, 6) が, このような投与量での薬動力学的解析はなされていない。そこで今回, われわれはPIPC1回49及び89投与における薬動力学的検討を行つたので報告する。
  • 築山 文昭, 加藤 雅史, 飯田 貴士, 中村 浩二, 渡辺 隆, 池田 美佐子, 室木 邦生, 藤上 良寛, 桑原 正雄
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2805-2811
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 緑膿菌は臨床材料からしばしば分離され1, 2), 又多くの化学療法剤に耐性であることから, 日和見感染症や院内感染症の主たる起炎菌として注目されている3)。各種臨床材料からの本菌検出状況, 血清型分布及び抗生物質感受性成績などについてはすでに少なからぬ報告がなされている1, 3~6)。著者ら7) も広島市内の-病院における本菌の状況を把握する目的で, 臨床材料から分離し, 起炎菌と推定された緑膿菌68株についてProtease, Elastase産生能と血清型について検討したが, 今回は更にそれらの株に対する各種抗生物質の抗菌力を測定し, 若干の知見を得たので報告する。
  • 二宮 敬宇, 大林 太, 長谷川 幸生, 浜谷 恵子, 西尾 武人
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2812-2821
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefotiam (CTM) は武田薬品中央研究所で創製された新しいCephalosporin系薬剤で, 従来のCephalosporin系薬剤に比べEscherichia coli, Proteus mirabilisに対し強い抗菌力を示すと報告されている1~4)。本剤の産婦人科領域における有用性はすでに, 松田ら5), 張らの, 中村ら7), 青河ら8) により検討, 報告されている。今回, 著者らは本剤に対する基礎的, 臨床的検討の機会を得, その有効性が認められたので報告する
  • 牧嶋 和見, 宗 信夫, 渡辺 宏, 中島 格, 増田 孝
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2822-2824
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は武田薬品工業 (株) 中央研究所で合成された新しいセフェム系抗生物質1) で, その化学構造式はFig.1に示すとおりである。7位側鎖は, 緑膿-菌に抗菌力を示すペニシリン系抗生物質Sulbenicillin (SBPC) と同一である。CFSの特徴は, その抗菌力にあり, セフェム剤で初めて緑膿菌に特異的に強い抗菌力を持ち, その強さは, アミノ配糖体系抗生物質のGentamicin (GM) に匹敵する。一方, その他のグラム陰性菌に対する抗菌力は弱い2)。
    すでに, われわれは, CFSを耳鼻咽喉科領域の緑膿菌感染症に使用し, 良好な臨床効果が得られることを報告した3)。
    今回, これらの臨床成績の裏付とするため及びCFSの有用性を評価する目的で, SBPCを対照薬としてCrossover法により, 本剤の耳漏中移行を比較検討したので, その成績を報告する。
  • 杉田 麟也, 河村 正三, 藤巻 豊, 出口 浩一
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2825-2830
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は緑膿菌に選択的な抗菌力を示すCephalosporin系抗生物質であり, その抗菌力はGentamicin (GM) とほぼ同等である1, 2)。本剤はアミノ配糖体系抗生物質のように聴器毒性の心配がなく, 緑膿菌の感染症が比較的に多い耳鼻咽喉科としては全身投与法だけでなく局所投与も期待される抗生物質である。
    この度, CFSを武田薬品工業 (株) から供与され臨床効果及び組織内濃度について検討したのでその成績を報告する。
  • 佐藤 文彦, 橘 正芳, 斎藤 等, 水越 治, 西村 武重, 斎藤 章, 中村 明正, 大川 和春, 竹之内 智, 矢野原 邦夫, 水越 ...
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2831-2834
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は緑膿菌に有効なセファロスポリン剤であり, その抗菌力はアミノ配糖体系抗生剤に匹敵し, 又アミノ配糖体系抗生剤と交叉耐性が認められないことから, アミノ配糖体系抗生剤耐性菌にも抗菌力を有する1)。
    今回著者らは, 耳鼻咽喉科領域感染症に対し本剤を使用し, 若干の知見を得たので報告する。
  • 牧嶋 和見, 中島 格, 鳥谷 陽一, 村田 義治, 渡辺 宏, 金苗 修一郎
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2835-2838
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は, 抗緑膿菌作用がアミノ配糖体系抗生物質に匹敵し, 低毒性で, 交叉耐性がなく, β-Lactamaseに安定であるという新しいセフェム系の抗生物質である1)。
    われわれ耳鼻咽喉科医は, 局所の感染に対して他の病原菌を抑えたにもかかわらず, 緑膿菌の制御に苦慮してきたという経験を多少なりとも有してきた。新しく武田薬品工業 (株) で開発されたCFSは, 緑膿菌に対し, 特異的に抗菌力を示す1) とされており, 今回著者らも本剤投与による臨床検討を行つてみた。その臨床的及び細菌学的効果をここに紹介したい。
  • 佐竹 敬一, 長舩 宏隆, 小島 幸枝, 鵜木 秀太郎, 小松崎 篤
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2839-2843
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近の感染病巣からの分離菌は, 化膿性球菌と並んでPseudomonas aeruginosa, Klebsiella pneumoniae, Proteusgroup, Escherichia coli及びSerratiaなどのグラム陰性桿菌が検出され, 多種多様となつてきていることについて多くの報告1~4) があり, その中でも難治性感染症の代表的起炎菌としてP.aeruginosaがクローズァップされている。
    耳鼻咽喉科領域における感染症, 特に中耳に基礎疾患を有する慢性化膿性中耳炎の耳漏検査においてもしぼしば検出される5~7)。
    近年, 抗緑膿菌抗生剤の登場が続いているが, ここに報告するCefsulodin (CFS) は, セフェム系ではじめて緑膿菌に対する強い抗菌作用を示すばかりでなく, アミノ配糖体系抗生物質耐性のP. aeruginosaにも抗菌力を発揮し, 更に従来アミノ配糖体系抗生物質にみられた聴器毒性のないこととあわせ当科領域にとつては魅力がある薬剤と言える。
    今回われわれは武田薬品工業株式会社で創製された新しいセファロスポリン系抗生物質であるCFSを慢性化膿性中耳感染症, 術後創部感染症に使用する機会を得たのでその臨床成績を若干の考按と共に報告する。
  • 古田 茂, 福田 勝則, 大堀 八洲一, 小川 和昭, 飯田 富美子, 大山 勝
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2844-2850
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は1978年武田薬品工業 (株) 中央研究所で開発された半合成Cephalosporin系抗生物質である。本剤は従来のCephalosporin系抗生物質に見られない特徴として, 緑膿菌に対して優れた抗菌力を有している1)。その抗菌力は, Sulbenicillin (SBPC), Carbenicillin (CBPC) よりも強く, Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB) などアミノ配糖体系抗生物質と同程度であり, 且つアミノ配糖体系抗生物質耐性の緑膿菌に対しても抗菌力を有している2)。又, β-Lactamaseに強い抵抗性を示すCephalosporin系抗生物質としても知られている。耳鼻咽喉科領域においては, 病態によつてはグラム陰性桿菌の検出率が高い3)。中でも緑膿菌はOpportunistic infectionの代表的なPathogenとして, 感染症においては細菌学的あるいは臨床的に注目を浴びている4, 5)。今回われわれは, CFSの耳鼻咽喉科感染症における有用性を検討する目的で基礎的, 臨床的検索を試みた結果, 若干の知見が得られたので報告する。
  • 主として緑膿菌感染症についての検討
    馬場 駿吉, 丸尾 猛, 佐々木 亨, 宮野 和夫, 円山 宏洋, 三宅 浩郷, 坂井 真, 藤井 一省, 斉藤 成明, 瀧本 勲, 稲福 ...
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2851-2860
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は, 緑膿菌に特異的に抗菌力を示すセフェム系抗生物質である。その構造式はFig.1に示すようで, 7位側鎖にSulbenicillin (SBPC) と同様のSulfophenylacetamidoを導入し, 又3位側鎖はCephaloridineに類似している。
    本剤に関する研究は基礎, 臨床においてすでに数多く行われており, 第26回日本化学療法学会総会にそれらの成績のまとめが新薬シンポジウムとして発表された。それによるとCFSは緑膿菌に対しアミノ配糖体系抗生物質と同程度の抗菌力を示し, 緑膿菌の産生するβ-Lactamaseに対し強い抵抗性を持つとされ, 又臨床試験においては尿路感染症, 呼吸器感染症について検討され, 優れた緑膿菌消失率を示したと報告されている。
    今回我々はかような特徴を持つCFSを耳鼻咽喉科領域においても活用されるべきものと考え, 基礎的, 臨床的検討を行つたのでその成績についてここに報告したい。
  • 高瀬 善次郎, 一戸 喜兵衛, 沓沢 武, 山田 良隆, 萬 豊, 土門 洋哉, 児玉 百樹, 松田 静治, 張 南薫, 福永 完吾, 国井 ...
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2861-2877
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefsulodin (CFS) は, 武田薬品工業 (株) 中央研究所で合成された図1の化学構造を有する注射用合成セファロスポリン剤であり緑膿菌に特異的に強い抗菌作用を示す1~3)。その基礎並びに臨床成績が第26回日本化学療法学会総会の新薬シンポジウムにて評価され, 尿路感染症を中心にして緑膿菌感染症に対する優れた効果と副作用の少ない点が注目をあびた4)。これらの利点を産婦人科領域の緑膿菌感染症の治療に生かすことを目的として, 全国22施設の協力を得て, CFSの抗菌力, 婦人性器組織内濃度を測定し, 薬動力学的な解析から, 本剤の至適投与量を検討すると共に, 緑膿菌感染症に対する効果についても併せて検討したので, その成績をまとめて報告する。
  • 百瀬 皓, 笠原 淳弘, 畚野 剛, 水田 栄治
    1982 年 35 巻 12 号 p. 2879-2893
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年本邦においては, 諸外国に比べて各種抗菌剤の研究開発が極めて活発に行われている。特にペリシリン, セファロスポリン系のβ-ラクタム系抗生物質はその作用機序が細菌細胞壁に直接作用するために人体に対する副作用が少なく, 安全性に優れていることから, 市販品も多数にのぼつている。
    しかし, 眼科領域の適応症を取得している薬剤は少なく, Sulbenicillin (SBPC), Carbenicillin (CBPC), Cepha-10thin (CET), Cefaloridine (CER), Cefazolin (CEZ) であるが, 臨床適用の参考となるヒトの眼内移行性成績はCEZ1, 2) を除き見当らない。又国内では眼科領域の適応症は取得していないけれども, 外国での研究としてCefuroxime (CXM) 3), Cefamandole (CMD) 4), Cefoxitin (CFX) 5) の眼内移行性が報告されているにすぎない。
    このような現状において, このたび武田薬品から特徴のある2種類のセファロスポリン系抗生剤Cefsulodin (CFs), とCefotiam (CTM) が市販された。その化学構造式をFig.1に示した。CFSは, 緑膿菌に有効な世界最初のセファロスポリン系抗生物質であり, 一方のCTMはグラム陽性菌からグラム陰性菌にまで幅広い抗菌スペクトルを有し, 従来のセファロスポリン系抗生物質に比べて新しくインフルエンザ菌, シトロバクター属, エンテロパクター属, インドール陽性のプロテウス属が有効菌種として追加され, 日常診療で分離頻度の高い菌種には極めて抗菌力の強い薬剤である。
    これら両剤の家兎眼内移行性についてはすでに検討がなされている6, 7) が, ヒト眼内移行性については検討成績がなく, 今後の眼感染症に対する臨床使用の一助とするべく, 両剤のヒト眼内移行性につき検討し, 若干の考察を加えたので, ここに報告する。
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