1982 年 35 巻 12 号 p. 2805-2811
近年, 緑膿菌は臨床材料からしばしば分離され1, 2), 又多くの化学療法剤に耐性であることから, 日和見感染症や院内感染症の主たる起炎菌として注目されている3)。各種臨床材料からの本菌検出状況, 血清型分布及び抗生物質感受性成績などについてはすでに少なからぬ報告がなされている1, 3~6)。著者ら7) も広島市内の-病院における本菌の状況を把握する目的で, 臨床材料から分離し, 起炎菌と推定された緑膿菌68株についてProtease, Elastase産生能と血清型について検討したが, 今回は更にそれらの株に対する各種抗生物質の抗菌力を測定し, 若干の知見を得たので報告する。