The Japanese Journal of Antibiotics
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piperacillinの母体血, 臍帯血および羊水中への濃度移行に関する基礎的検討
岩崎 武輝町原 充
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1982 年 35 巻 9 号 p. 2206-2212

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抄録

一般に抗生剤は, 胎盤を通過して母体血中濃度の約1/8-1/3が胎児へ移行すると考えられているが, 羊水への移行は低いといわれている。前・早期破水を起した妊婦は, 直ちに羊本感染あるいは子宮内胎児感染1, 2) を起すわけではないが, 周産期児死亡の0.6%が周産期に特異的な感染によるものである3, 4) ことから考えても, 羊水感染に十分な注意を払わなければならない。したがつて, 抗生剤の臍帯血および羊水中濃度について検討する臨床的意義は大きい。
今回, 我々は富山化学綜合研究所で開発された注射用合成ペニシリン剤Piperacillin (PIPC) の母体血, 臍帯血および羊水中への移行を検討する機会を得たので報告する。

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