1982 年 35 巻 9 号 p. 2293-2313
Bleomycinの誘導体であるPeplomycinの抗腫瘍性は, 基礎的実験によれば, 従来のBleomycinとほぼ同等かまたはやや強く, 肺線維症の発生は約113と報告1) されている。また, 臨床的にも, PhaseIおよびPhaseII study2-6) で悪性リンパ腫, 皮膚癌, 頭頸部癌に抗腫瘍効果が認められ, 現在皮膚癌および頭頸部癌に対して広く使用されている。
Bleomycinの食道癌への抗腫瘍効果はすでに周知の事実であるが, 今回はPeplomycinの食道癌に対する有効性および安全性を確立する目的で, 第1回ペプレオマィシン食道癌研究会が, 1980年7月9日に京都で開催された。そして種々の討論の結果, Pepleomycinの食道癌に対するPhaseIIstudy実施要綱を決定した。この要綱にもとつく研究を各施設が開始し, 1981年10月26日に東京で開催された第2回ペプロマイシン食道癌研究会において, 全国25施設 (表1) から研究成果の発表があつた。以下の報告は, これら25施設の発表を集計したものである。
なお第1回研究会において, Pepleomycinと呼称されていたが, WHOの指示に従いPeplomycinと一般名が決定した。