The Japanese Journal of Antibiotics
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経時的にみたCefmetazoleのグラム陰性菌に対する抗菌力
増田 剛太楊 振典根岸 昌功渡辺 富博山崎 悦子茂手木 皓喜
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1982 年 35 巻 9 号 p. 2288-2292

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抄録

グラム陰性桿菌は日和見感染症の起因菌として, 今日, 極めて高頻度に分離される。Cefmetazoleはこれらグラム陰性桿菌, とくにEscherichiacoli, Klebsiellasp.や嫌気性菌であるBacteroi4es介agilisに対して強い抗菌力を示す抗生剤である1)。本製剤のこれら細菌に対する作用様式は他のβ-Lactam製剤と同様, 一般に殺菌的であるとされる。一方, 現在広く行われているin vitro抗菌力の評価は, MICや最小殺菌濃度 (MLC) で代表されるように, 菌-抗菌製剤を1夜 (18-24時間) という長時間接触させた後の菌数変化を指標とする。しかし, 臨床で抗生剤を経日, 筋注, 経静脈内注入などの方法で投与した場合に得られる抗生剤の組織液や病巣などにおける有効抗菌濃度の持続は通常数時間程度である2, 3) ◎従つて, MICやMLCは臨床効果を演繹的に解析する指標としては, 菌-抗生剤接触時間という点から見ても, 必ずしも最適ではないと考える。そこで, 抗生剤作用時間を臨床での菌一抗生剤接触時間に近似の数時間程度とした実験系を開発し4-6), 本法を用いて短時間抗生剤作用時のCe仁metazoleの作用様式を検討した。

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