The Japanese Journal of Antibiotics
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腹部外科手術症例におけるCefbtiamの胆道,腹水への移行について
田中 一誠細馬 静昭大城 久司山本 泰次杉野 圭三住元 一夫岸 直彦
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1983 年 36 巻 1 号 p. 76-83

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抄録

腹部外科領域において, 腹膜炎及び胆道感染症は, 日常よく遭遇する疾患ではあるが, 適当な治療がなされなければ, 極めて重篤な状態に陥る事は周知の事実である。かかる感染症に対して, 適切な手術療法, 起炎菌に抗菌性のある抗生物質投与, それに全身的な管理を行う事が治療の原則であろう。これらめ起炎菌のほとんどは腸内細菌由来のグラム陰性桿菌であり, 有効な抗生物質が使用されるべきである。
近頃, 武田薬品工業株式会社から新しいセフェム系抗生物質Cefotiam (以下CTMと省略する) が開発発売され, グラム陰性桿菌に特有なβ-Lactamaseに抵抗性が強く, 従来のセファロスポリン系, セファマイシン系抗生物質より強い抗菌力を有し, 胆道移行の良好なる事が報告されている1~3)。
今回我々は, 腹部外科手術症例においてCTMの血中, 腹水中及び胆道系への移行につき検討し, 若干の知見を得たので報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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