1983 年 36 巻 1 号 p. 71-75
急性白血病の治療はTotal cell killの概念1) に基づく, 強力な多剤併用療法が行われるようになり, 寛解率は著明に改善したが, 出血傾向, 易感染性という新たな問題を引きおこした。現在出血傾向に対しては成分輸血法が進歩し, 血小板輸血が広く行われているが, 感染症が白血病の直接死因を占める割合は高く, CHANGら2) は自験白血病315例中約75%が感染症が直接死因であつたとしている。このように感染症に対する対策は白血病治療に際して極めて重要な問題であることは周知のとおりである。
今回, 白血病随伴感染症に対するCefotiam (CTM)・Sulbenicillin (SBPC)・Cefsulodin (CFS) の併用療法に関する臨床的検討を行つたので報告する。