The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefbtiamの心筋内移行に関する臨床的検討
日比 道昭阿部 稔雄村瀬 充也田中 稔竹内 栄二弥政 洋太郎
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1983 年 36 巻 10 号 p. 2671-2674

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抄録

心臓外科領域では, 人工血管や人工弁, 心内パッチ等の心臓内異物を使用することが多く, 細菌感染は致命的になる可能性が大きく, その防止のための適確な抗生物質の投与は極めて重要である。最近開発されたCephem系抗生物質Cefotiam (Pansporin (R), 以下CTMと略) はGram陽性球菌及びGram陰性桿菌に対して幅広く強い抗菌力を示すこと, 又腎毒性が少なく安全性が高いとされていることなどから, 心臓外科手術後の細菌感染の予防及び治療に最も適したものの1つと考えられ, すでに広く使用されている。しかしながら心臓外科領域において最も重要と考えられる心筋内濃度に関する臨床報告は少ない。そこで開心術症例において, CTMの血清中及び心筋内濃度を測定し, 心筋内への移行性に関する検討を行い若干の知見を得たので報告する。

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