1983 年 36 巻 10 号 p. 2887-2892
近年, 従来の抗生剤よりも抗菌力が強く, 広い抗菌スペクトルを有する薬剤が多数開発され使用されつつある。特に, 最近市販されたCefotaxime (CTX Claforan (R)) はCitrobacter, Enterobacter, Serratia, Pseudomonas aeruginosa, 嫌気性菌等にも強い抗菌力1) を有している。一方, CTX耐性菌の分離頻度は同一菌種であつても報告者により著しく異なる1) ことから, 各々の施設において薬剤感受性の動向を把握しておくことが感染症の治療に極めて重要である。又, 臨床検査室ではディスク法により感受性試験が行われていることから, ディスク法による感受性結果と最小発育阻止濃度 (MIC) との関係を明らかにしておく必要がある。
今回は臨床材料からの主要分離菌に対するCTXとその他のセフェム系抗生剤 (CEPs) の抗菌力をMICの測定とディスク法により検討したのでその結果を報告する。