The Japanese Journal of Antibiotics
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造血器腫瘍疾患に合併した感染症に対するCefoxitinの使用経験
南 信行宇野 伸郎片山 直之片岡 吉貴神尾 典彦岩田 吉史田中 公仮谷 嘉晃白川 茂
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1983 年 36 巻 10 号 p. 2881-2886

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抄録

Cefoxitin (商品名マーキシン注射用, 以下CFX) は, Streptomyces lactamduransが産生するCephamycin Cの誘導体として開発されたCephamycin系抗生物質である1)。本剤の抗菌スペクトラムは, グラム陽性菌からグラム陰性菌の広範囲にわたり, 特に, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus, Serratia等のグラム陰性桿菌及び従来のCephalosporin, Penicillin系抗生物質には感受性のないBacteroides fragilisに対しても優れた抗菌力を示すことが注目されている2, 3)。又, β-Lactamaseに対して極めて安定であり, β-Lactamase産生菌に対しても強い抗菌作用を発揮することが知られている4)。
今回, 我々は造血器腫瘍疾患の経過中に合併した難治性感染症に対してCFXを投与し, その臨床効果, 肝機能, 腎機能に及ぼす影響について検討する機会を得たので, その結果を報告する。

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