1983 年 36 巻 11 号 p. 3268-3276
Micronomicin (以下MCRと略す) は, Mimmonospora sagamiensis var. nonreducansにより産生されるAminoglycoside系抗生物質で, 水に極めて可溶の白色微細結晶性粉末であり, Fig.1に示す化学構造式を有している。Gentamicin類似の強い殺菌力と広範囲な抗菌スペクトルを有するが, Gentamicinに比べ, 循環器系に対する作用が弱く, Aminoglycoside系抗生物質の持つ副作用である聴覚障害も軽度であることが報告されている1)。今回, 我々はMCRの静脈内投与時の筋麻痺作用について検討を加えたのでその成績を報告する。