The Japanese Journal of Antibiotics
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硫酸Paromomycinの抗条虫作用, 特にDiphyllobothrium ditremum に対するin vivo, in vitro実験, 並びに広節裂頭条虫症例における駆虫効果
宮本 健司久津見 晴彦中尾 稔
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1983 年 36 巻 3 号 p. 602-609

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抄録

硫酸Paromomycin (Aminosidine) が抗細菌, 抗原虫作用を持つばかりでなく, 条虫駆虫効果を示すことは最近知られてきた。SALEM & EL-ALLAF 1, 2) は無鉤条虫, 小形条虫の駆虫に成功し, のちにBOTERO3), 金沢4, 5), 大鶴ら6), 影井ら7), 吉田ら8), 今井ら9), 石田ら10) の報告があいついだ。これによつて, アミノグリコシド系の抗生物質が小形条虫をはじめ, 無鉤条虫, 広節裂頭条虫, 大複殖門条虫などの大型で駆虫困難であつた条虫に対して, 駆虫作用を示すことが確実となつた。今回は実験感染させたDiphyllobothrium ditremumに対する駆虫効果を検討すると共に, 広節裂頭条虫症例について駆虫効果を確認したので報告する。

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