The Japanese Journal of Antibiotics
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広節裂頭条虫 (Diphyllobothrium latum) に対する硫酸Paromomycinの影響
矢崎 康幸並木 正義
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1983 年 36 巻 3 号 p. 610-614

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抄録

硫酸Paromomycin (Aminosidine) は, 近年大型条虫症治療薬としての有効性が注目されつつあり副作用の少ないことから特に本邦においてその臨床使用例が増加している1, 2)。これらの症例の多くは広節裂頭条虫症であり, 他には大複殖門条虫症3), 無鉤条虫症1), 有線条虫症4) が散見される。しかし, 一体どのような機序で酸Paromomycinがこれらの条虫に対して駆虫効果を示すのかは今だ不明な点が多い。われわれは広節裂頭条虫症患者からDAMASODERIVAS変法5) にて駆虫した広節裂頭条虫を用いてこの虫体に対する硫酸Paromomycinの影響について検討したので報告する。今回は広節裂頭条虫の運動に対する硫酸Paromomycinの影響とそのときの虫体表面構造の変化, 虫体の病理組織学的変化につき検討した。

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