1983 年 36 巻 6 号 p. 1219-1232
Cefbtetan (CTT) は山之内製薬研究陣によつて開発されたCephamycin系抗生剤であり, 現在本邦で市販されているこの種の製剤Cefbxitin (CFX), Cefmetazole (CMZ) 等に比較して各種グラム陰性桿菌類 (Indole陽性Proteus, Citrobacter, Enterobacter, Serratia, Haemophilus influenzae等) に優れた抗菌力を有し, 又, β-Lactamase産生菌に対しても抗菌力があり, 更に静注した場合血中濃度の持続が長く, 半減期が約3時間と従来のβ-Lactam系製剤中最も持続的である点に特徴のみられる新邦製抗生剤である。
本剤に関する基礎的な成績並びに成人各科領域疾患に対する広汎な検討結果は昭和55年12月第28回日本化学療法学会西日本支部総会において報告されその有用性が認められてきた1)。
今回小児科領域における本剤に関する一連の検討を行い, みるべき成果が得られたので今日までの概況について報告する。