1983 年 36 巻 6 号 p. 1204-1218
Cefotetan (CTT) は, 山之内製薬中央研究所において新たに開発されたCephamycin系に属する注射用抗生物質であり, Escherichia coli, klebsiella, Proteus, Haemophilus influenzae, Serratia等のグラム陰性桿菌に対して特に強い抗菌力を有し, 各種細菌が産生するβ-Lactamaseに対しても, 極めて安定であるとされている。又, ヒトの静脈内に投与した場合の血中濃度は, 従来のCephalosporin系抗生物質に比べ, より持続的と言われる1)。
今回我々は, 小児科領域における本剤の抗菌力, 血中濃度, 髄液移行, 蓄積効果などの基礎的検討, 及び臨床的検討を行う機会を得たので, その結果をここに報告する。