The Japanese Journal of Antibiotics
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尿路感染症分離菌 Escherichia coli, Klebsiella, Citrobacter 及び Proteus に対する経口並びに注射用抗菌・抗生剤の抗菌力比較 (第3報1981年)
その2.感受性推移
小酒井 望猪狩 淳熊本 悦明酒井 茂西尾 彰永井 龍夫茂田 士郎白岩 康夫阿部 和夫田崎 寛入 久巳内田 博安藤 泰弘古谷 博松田 静治添田 昇横松 守小栗 豊子古澤 太郎竹内 泰子土田 洋美山下 伸幸岡本 緩子下江 庄司吉崎 悦郎山口 恵三餅田 親子
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1983 年 36 巻 6 号 p. 1504-1520

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抄録

一年のある一定期間に, 一定の研究施設から尿路感染症患者分離菌を収集し, その感受性を経年的に調べることは, 極めて興味深く, 又意義あるものと考えられる。著者らは, ここ数年にわたり全国の数施設から尿路感染症患者分離菌を集め, それらの抗菌・抗生剤に対する感受性を調べてきた。最近の抗菌・抗生剤の開発は, まことにめざましいものがあり, 種類も非常に多いので, それらのすべてについて感受性を測定することはできないので, 代表的な薬剤について検討を続けたいと考えている。細菌の抗生剤に対する耐性獲得と, 新しい抗生剤の開発を考えたとき, 開発には, 極めて多くの時間を要し, その他の要因をも考慮すると, 新しい抗生剤を世にだすことは簡単なことではない。従つて現在, 極めてすばらしい抗菌力を持つ抗生剤でも乱用すれば, 耐性菌の発現がより一層顕著となり, それに対してまた新しい抗生剤の開発が要求されることになる。特に, 第3世代とよばれる注射用抗生剤は, すばらしい抗菌作用を持つているだけに, その使い方は慎重でなければならないし, これらの薬剤に対する耐性菌の出現について, 経時的に, 追跡研究していくことは非常に興味ある課題と考えられる。
著者らは第3世代を含めた抗菌・抗生剤に対する感受性推移について若干の知見を得たのでここに報告する。

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