1983 年 36 巻 7 号 p. 1615-1620
ポリミキシン系抗生物質などの多くの塩基性アミノ酸残基を持つ環状アシルペプチド類は, 一般にグラム陰性菌に著効を示すことが知られており, 著者らもこれまで塩基性アミノ酸としてLysineを含有する種々のアシルペプチド類を合成し, 併せてスクリーニング的に抗菌試験を実施してきた1)。
今回, 著者らは抗菌スペクトルの拡大を目的として酸性アミノ酸であるGlutamic acidを導入し, 且つ側鎖にアミノ酸残基を持つ (分枝状), 簡易なアシルテトラペプチド類を合成し, これらの化合物について抗菌試験を行い, 化学構造と抗菌活性との相関関係について若干の知見を得たので報告する。