1983 年 36 巻 8 号 p. 2201-2206
Cefpiramide (CPM) は, 化学構造上Fig.1のように7位側鎖にHydroxymethylpyridine基を有し, 3位側鎖にはTetrazole環を持つ, 新セフェム系抗生物質である。グラム陽性菌及び陰性菌に対しても抗菌活性を有し, 更にPseudomonasに対しても優れた抗菌力を示す1)。
又細菌の産生するβ-Lactamaseに極めて安定である1)。吸収排泄では本剤はヒトに静脈内投与した場合の血中濃度が高く, 生物学的半減期は4~5時間で既存のセフェム系抗生物質のどれよりも長いのが特徴である。又尿中排泄率は20~30%とやや低いが, 胆汁中への移行が優れている。
今回, 我々は6例の易感染傾向の基礎疾患例を含む10例の中等度以上の小児感染症患児にCPMを臨床使用する機会を得たので, その成績について報告する。