1983 年 36 巻 9 号 p. 2521-2528
Cefroxadine (CXD) はCiba-Geigy社で新しく開発された経ロセファロスポリン系抗生剤で, グラム陽性菌及びグラム陰性菌に抗菌力を有し, 広域スペクトラムを示し, その抗菌力はCephalexin (CEX) より強く, 短時間で強い溶菌作用をあらわすと言われている1, 2)。本剤はカプセル剤として経口投与されるが, その吸収は食物摂取による影響が少なく, 生体内ではほとんど代謝されることなく, 活性のまま主として尿中に排泄される3, 4)。
今回, われわれは外科領域, 特に創傷感染を中心に31症例に投与し, その臨床効果, 細菌学的効果, 副作用などを検討し若干の知見を得たので報告する。