The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCofpriamideの基礎的・臨床的検討
山元 貴雄保田 仁介金尾 昌明岡田 弘二
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1984 年 37 巻 1 号 p. 145-151

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抄録

Cefpiramide (CPM) は我が国で開発された新半合成セフェム系抗生物質であり, 本剤はFig. 1に示すように7位側鎖にHydroxymethylpyridine基を, 3位側鎖にTetrazole環を有している。本剤はグラム陽性菌並びにグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌スペクトラムを有し, 特にPseudcmonas aeruginosaを含むブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌の多くに強い抗菌力を示す。なかでもP. aeruginosaに対するMICはCefsulodinに匹敵する程である1)。
本剤をヒトに静脈内投与した場合の血中濃度のPeakは既存のセフェム系抗生物質のいずれよりも高く且つ持続的である。そして, その生物学的半減期は4~5時間であり, 連続投与による蓄積性は認められないと言う利点を有している。又, 本剤の尿中排泄率は20~30%と既存のセフェム系抗生物質に比べてやや低いが, 胆汁中への移行は優れている1)。
今回, 我々は産婦人科領域における本剤の基礎的検討並びに臨床的有効性, 安全性を検討する機会を得たので以下に報告する。

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