The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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歯科領域感染症を対象としたCefaclorの臨床評価
二重盲検法によるCephalexinとの比較成績
堀井 正雄森永 登規雄竹内 豊次郎島田 惣四郎山中 弘之西村 敏治熨斗 嘉文岡田 孝佐々木 哲也高田 静治飯塚 脩木村 二郎相楽 貞文稲田 栄宏西岡 靖介木全 正宏稲葉 修
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1984 年 37 巻 1 号 p. 152-175

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抄録

Cefaclor (ケフラール®, 以下CCLと略記) は, 米国Eli Lilly社で開発された径口用セフェム系抗生物質で, Fig. 1に示すとおり化学構造上, 3位の炭素尿子に直接クロール原子が結合しており, この点, 既存のセフェム系抗生物質では基本的には3位の側鎖には必ず炭素原子が結合しているのとは異なる。
CCLは既存の経口用セフェム系抗生物質に比べ, in vitroで抗菌力の強化, 拡大が認められ, 短時間で強い殺菌作用を示すことが特長とされており1~8), 我が国では1982年から発売され, 有効性と安全性の面から, 内科, 小児科, 耳鼻科等の各科領域の種々の軽・中等産の細菌感染症に頻用されるようになつてきつつある。
今回われわれは, 歯科領域感染症に対するCCLの有効性, 安全性及び有用性をCephalexin (ケフレックス®, 以下CEXと略記)(Fig. 1) を対照薬として, 二重盲検法により比較検討し本剤の臨床効果の出現が早期に現われると言う興味ある成績を得たので報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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