The Japanese Journal of Antibiotics
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Cefmenoximeの感受性ディスク法に関する検討
金沢 裕倉又 利夫松本 清幸
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1984 年 37 巻 1 号 p. 176-183

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抄録

Cefmenoxime (CMX) は武田薬品工業中央研究所で開発された注射用新合成セフェム系抗生物質である。
本剤はStreptococcus pneumoniae, Escherichia coil, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Indole陽性Proteus, Haemophilus influenzae, Enterobacter, Citrobacterに対する抗菌力が第2世代のセフェム剤より優れ, 又その抗菌スペクトラムはSerratia marcescens, Bacteroides fragilisにまで拡大されていると報告されている。
今回われわれは, 臨床検査としての本剤のディスク法による感受性測定法を検討したので報告する。
CMXのように新しく出現した薬剤の臨床的な感性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度 (MIC) 値の基準は全く不明で, 暫定的には推定される体液中有効濃度との関連から一応の基準が論ぜられたとしても, 最終的には多くの起因菌について得たMIC値と, 薬剤使用による臨床効果との集計の上に将来定められるべきものであり, 従つて現時点においては適当に規定された実験条件でのMIC値を推定することが, 臨床的感受性検査の目的と考えられる。この目的に沿うように, すでに金沢4~7)により設定されたMIC値の推定を目的とするsingle-disc法による各種化学療法剤の感受性測定法についてたびたび報告した。
今回はCMXについても本法が適用されるかを検討した。

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