1984 年 37 巻 1 号 p. 6-13
Ceftazidime (CAZ) は英国Glaxo社で開発された新しいCephalosporin系抗生物質であり, 図1に示す化学構造を有し, グラム陰性菌, 特にPgeudomonas aeruginosaをはじめとするブドウ糖非発酵菌, Serratia等に対し強い抗菌力を示し, 各種細菌の産生するβ-Lactamaseにも極めて安定である等の特長を有している1, 2)。
今回, 著者らはCAZの女性性器内濃度, 子宮頸癌術後骨盤死腔液中濃度及び静脈血清中濃度を検討すると共に, 産婦人科領域における感染症4例に本剤を投与し, 臨床的検討を加えたのでその結果を報告する。