The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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Cefotiamの髄液移行に関する研究
児玉 芳重坂田 勝朗藤原 正利木次 敏明
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1984 年 37 巻 10 号 p. 1757-1762

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抄録

近年, 抗生物質の予防的投与が普及し, 整形外科的領域では, 脊椎及び脊髄の感染症に遭遇する機会は少なくなつた。しかし, 脊椎及び脊髄に感染が成立すると, その治療は困難であり, 後遺障害なく治癒させることは稀である。その治療面では, 抗生物質の髄液移行を知ることは有用であると考えられる。過去の報告においては, すでに感染が成立した状態での髄液移行に関しては多くの報告があるが, 感染の存在しない生理的状態, すなわち血液-髄液関門の透過性が破壊されていない状態での抗生物質の移行状態の報告は散見されるだけである。
今回我々は武田薬品中央研究所の協力を得て, Cefotiam (以下CTM) の髄液中濃度を測定し, 感染予防に有効であること, 又, 多少の知見を得たので報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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