The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるsulbactam/Cefbperazone合剤の臨床的検討
目黒 英典田島 剛野中 千鶴益子 仁藤井 良知有益 修
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1984 年 37 巻 10 号 p. 1821-1830

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抄録

Sulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) はすでにわが国で使用されているCPZに, 新しいβ-Lactamase阻害剤であるSBTを1:1に配合した注射用抗生物質である。それぞれの化学名, 化学構造式はFig.1のとおりで, 分子量はSBTが255.22, CPZが667.65である。CPZはCefotaxime (CTX), Ceftizoxime (CZX), Cefmenoxime (CMX), Ceftazidime (CAZ) 及びCeftriaxone (CTRX) と共に抗菌範囲の広い第5群のCephem系に分類される1)。しかし他剤に比べてIc型及びIII型のβ-Lactamaseによりわずかに分解されやすい点が少し劣つている。SBTの配合はその点を補い, それによる耐性菌を感性化するだけでなく, 更にある程度抗菌範囲を広げた薬剤となる。SBT/CPZの成人領域における臨床試験はすでに終了し, その安全性・有効性が報告されている2)。我々は小児科領域におけるSBT/CPZの共同研究会の一員として, 本剤の臨床検討を行う機会を得たのでその結果を報告する。

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