The Japanese Journal of Antibiotics
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Cephamycin系新抗生剤Cefbuperazoneの腹腔内滲出液中移行の検討
渡部 洋三権田 厚文城所 仂
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1984 年 37 巻 2 号 p. 261-266

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抄録

Cephamycin系新抗生剤Cefbuperazone (T-1982, 以下CBPZと略す)は, 図1に示す化学構造を有し, 各種感染症の起炎菌に対し広い抗菌スペクトラムを持っている。特にSerrat, Citrobacter, Enterobacter, Indole (+) Proteus, Bacteroidesなどに対しては従来のCephem系抗生剤に比べて優れた抗菌力を示すことが特徴となっている。更にβ-Lactamaseに強い抵抗性を有し, 殺菌的に作用することが報告されている1, 2)。又, 本薬剤は外科領域における腹膜炎, 術後感染症などに優れた臨床成績を示し, in vitroの成績以上にin vitro効果を発揮すると言われている。そこで, 腹腔内感染症に対する化学療法の理論的裏付として, 本剤投与後の腹腔内滲出液中への移行性を検討し, 同時に薬動力学的解析も行い興味ある知見を得たので報告する。なお, 本試験期間は昭和57年7月から11月までである。

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