The Japanese Journal of Antibiotics
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Ceftazidimeの小児科領域における臨床的検討
保科 弘毅三国 健一市橋 治雄
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1984 年 37 巻 3 号 p. 460-468

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抄録

Ceftazidime (CAZ) は英国グラクソ社で開発された新しいCephalosporin系の注射用抗生物質である。本剤の化学構造式はFig. 1に示すとおりで, 7-Aminocephalosporanic acidの7位側鎖にAminothiazolylcarb-oxypropyloxyimino基を, 又, 3位側鎖にPyridineを導入している点が特異的であり, 各種細菌の産生するβ-Lactamaseに対しても極めて安定である1)。抗菌活性はグラム陰性菌に極めて強く, 特に従来のCephem系抗生物質には感受i生の低かつたPseudomonas aeruginosa, ブドウ糖非発酵のグラム陰性桿菌及びSerratiaに対して強い抗菌作用を示すことが明らかとなつており1, 2), 又, 各種細菌に対する抗菌力も他剤に比べ平均しており, in vivo実験的混合感染に対しても優れた防禦効果を示すことが明らかにされている2)。
今回, 我々は本剤を中等症以上の小児感染症に臨床使用する機会を得たので, その成績について報告する。

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