The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCeftazidimeの基礎的, 臨床的検討
久野 邦義屋冨祖 正光宮地 幸紀中島 崇博市原 邦彦上田 佐智恵
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1984 年 37 巻 3 号 p. 469-484

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抄録

Ceftazidime (CAZ) は英国Glaxo社で開発された新しいCephem系の注射用抗生物質で, Fig. 1のような構造式を持ち, 7-Aminocephalosporanic acidの7位側鎖にAminothiazolylcarboxyproPyloxyimino基を, 又, 3位側鎖にPyridineを有する。
本剤の特長として以下の点があげられている1, 2, 3)。1. グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し, 広範囲な抗菌スペクトラムを有し, 特にSerratia, Pseudo-monsa aeruginosaを含むグラム陰性菌に強い抗菌力を示す。2. 各種細菌産生のβ-Lactamaseに対して極めて安定である。3. In vitroの抗菌力を反映した優れた感染防禦効果を示す。4. 実験動物において, 腎毒性を含めた安全性はCephalothinとほぼ同等である。5. ヒトに静脈内投与した場台, 高い血中濃度が得られ, 未変化体のまま大部分が尿中に排泄される。
成へ領域での本剤の使用成債は, 第30回日本化学療法学会総会で報告されている1)。今回, 我々は小児科領域の細菌感染症に本剤を使用し, その有効陸と安全性について検討する機会を得たので, 若干の基礎的検討成績と共に報告する。

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