1984 年 37 巻 3 号 p. 485-489
新しい注射用のCephem系抗生物質Ceftazidime (CAZ) を小児科領域で試用する機会を得たので, その成績について報告する。CAZは7-Aminocephalosporanic acidの7位側鎖にAminothiazolylcarboxypropyloxyimino基を, 又, 3位側鎖にPyridineを有しており, その構造式をFig. 1に示した。
本剤の特徴は従来のCephem系抗生物質に比較して, β-Lactamaseに対し安定であり, 且つ広い抗菌スペクトルを有していることである。特にブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌, Pseudomonas aerugi nosaには強い抗菌作用を示すと言われている。又, 静脈内投与した場合, 速やかに吸収され, 未変化体のまま大部分が尿中から排泄される点も特徴の1つである1)。