The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCeftazidimeの基礎的並びに臨床的検討
西村 忠史田吹 和雄高島 俊夫高木 道生
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1984 年 37 巻 3 号 p. 512-523

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抄録

近年のセファロスポリン系抗生物質の開発, 進歩は, 細菌感染症治療に大きく貢献している。しかし一方, 最近の感染症は, 宿主条件及び病原微生物の変化によつて生じた重症難治性感染症が増加しており, 化学療法もこのような状況下において, 用法, 用量への考慮はもちろん, 病原菌の特徴をふまえた対応に向けられることは言うまでもない。事実, より強力な殺菌効果と薬剤耐性打破, 特にβ-Lactamase抵抗性保有を目的とした抗生物質の開発はめざましく, すでにその一部は実際使用の段階にあり臨床面での貢献度も大きい1)。今度, 英国グラクソ社で開発されたCeftazidime (CAZ) は, 新しい注射用セファロスポリン剤で, グラム陽性菌及び陰性菌に対して, 広範囲な抗菌スペクトラムを持つており, 特にグラム陰性菌のうちPseudomonasにまで抗菌スペクトラムは拡大された。CAZはすでに本邦において成人領域での評価が行われ, その有効性と安全性が確認されている2)。そこでこれらの成績をもとに小児科領域でも多施設協同で本剤に関する研究が開始され, 著者らも, この研究に参加し, 本剤の基礎的及び臨床的検討を行つたので, その成績について述べる。

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