The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCefpimizoleの基礎的, 臨床的検討
福永 完吾國井 勝昭張 南薫
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1985 年 38 巻 4 号 p. 926-939

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抄録

Cefpimizole (AC-1370) は味の素 (株) 中央研究所で創製され, 同社と持田製薬 (株) で開発された注射用Cephalosporin系抗生物質である。
本剤は広域の抗菌スペクトルを有し, 特にPseudomonas属を含むグラム陰性桿菌に対し良好な抗菌力を示す。
又, その抗菌作用はin vivoにおける効果が優れているとされ, マウスの感染防禦実験においてin vitroの抗菌活性を上回る効果が認められている1)。
本剤の臨床薬理学的特徴は他のいわゆる第3世代Cephem系抗生物質と似ており, 静脈内投与によつて高い血中濃度が得られ, その半減期は100分前後である。主な排泄臓器は腎で, 体内では代謝されず, 尿中には投与後8時間までに80~90%が排泄される1)。
本剤については1982年3月から全国規模の研究会が組織され基礎的, 臨床的共同研究が行われ, その成果が1983年6月第31回日本化学療法学会総会新薬シンポジウムにおいて報告された2)。
われわれもこの研究会に参加して, 産婦人科領域で基礎的, 臨床的研究を行いその成績を報告した4)。
本報告はその後産婦人科領域で行つた基礎的, 臨床的検討成績で, ここに結果を得たので, 以下に報告する。

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