The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCefpimizoleの基礎的, 臨床的検討
林 福勝小幡 功落合 和彦小池 清彦今川 信行森本 紀蜂屋 祥一
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1985 年 38 巻 4 号 p. 940-953

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抄録

Cefpimizole (AC-1370) は1978年, 味の素 (株) 中央研究所と持田製薬 (株) で新しく開発された半合成の注射用Cephalosporin系抗生物質である。本剤は化学構造上7-Aminocephalosporanic acidの7β位にD-(-)-α-(4(5)-Carboxyimidazole-5(4)-carboxamido)phenylacetamido基を, 3位に4-β-Sulfoethylpyridiniummethyl基を有する点が特徴である(Fig. 1)。
AC-1370は静脈内投与により高い血中濃度が得られ, 生物学的半減期も100分前後と比較的長く, 大部分が尿中に排泄される特性を有する1)。その上, 抗菌力もGram陽性菌からGram陰性菌まで幅広いSpectrumを有し, なかでもGram陰性桿菌, 特にPseudomonas属に良効な抗菌力を示す一方, 本剤の際立つた特徴はマウス感染防御試験においてin vitroの抗菌活性を上回る効果が認められると報告されている点である1~3)。
今回, 著者らはAC-1370について基礎的には子宮及び子宮附属器組織への移行性について検討すると共に, 臨床的には婦人科感染症症例に投与し, 有効性及び安全性について検討したので, その成績について報告する。

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