1985 年 38 巻 7 号 p. 1785-1793
Lenampicillin hydrochloride (LAPC)のラット及びイヌにおけるPromoietyの代謝をin vitro及びin vivoにおいて検討した。
LAPCをラットの腸管ホモジネート, 肝ホモジネート及び血液のそれぞれとインキュベートすると代謝物として, Diacetyl, Acetoin及び2, 3-Butanediolが同定された。
LAPCをラット及びイヌに経口投与すると, 末稍血漿中の主代謝物は2, 3-Butanediolであつたが, 投与初期においては門脈血漿中にAcetoinが高濃度に認められたので, Acetoinへの代謝は主として腸管組織で行われ, 2, 3-Butanediolへの代謝は主に肝で行われることが示唆された。
尿中代謝物としてAcetoin, 2, 3-Butanediolが検出されたが, その排泄量は少なく, 両代謝物を合せて, 投与後48時間までにラットで約9%, イヌでは1%以下であつた。
以上の結果から, ラット及びイヌにおけるLAPCのPromoietyの主代謝経路をFig.9のように推定した。