1985 年 38 巻 7 号 p. 1794-1818
浅在性化膿性疾患を6群に分類し,経ロペニシリン系抗生剤であるLenampicillin (LAPC) とAMPCとの二重盲検比較試験を実施した。
LAPC1日1g (分4), AMPC1日1g (分4) 14日間投薬し, 両薬剤群間にほぼ同等の臨床効果が認められ, なお副作用においては, 高度の副作用発現率においてLAPCが低い傾向にあつた。
総投与症例は235例 (LAPC群115例, AMPC群120例) であり, 除外症例は10例 (LAPC群4例, AMPC群6例), 脱落症例は12例 (LAPC群5例, AMPC群7例) であつた。最終全般改善度評価は213例 (LAPC群106例, AMPC群107例), 有用性評価は215例 (LAPC群106例, AMPC群109例), 概括安全度評価は231例 (LAPC群115例, AMPC群116例) について行つた.
1.最終全般改善度LAPC群では治癒55.7%, 著しく改善以上79.2%, 改善以上88.7%, AMPC群では治癒50.5%, 著しく改善以上76.6%, 改善以上91.6%であり両薬剤群間に有意差は認められなかつた.
2.概括安全度LAPC群では安全93.9%, AMPC群では安全94.0%であり両薬剤群間に有意差は認められなかつた。副作用はLAPC群115例中2例(1.7%), AMPC群116例中5例 (4.3%) であり高度 (投薬中止を必要とする程度) の副作用発現率において, LAPC群が低い傾向 (P<0.1) にあつた。
3.有用性LAPC群では極めて有用56.6%, 有用以上86.8%, AMPC群では極めて有用51.4%, 有用以上84.4%であり両薬剤群間に有意差は認められなかつた。