The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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外科領域における重症感染症に対する新しい免疫グロブリン製剤 (SM-4300) の使用経験
抗生物質との併用療法
中村 明茂福本 育郎由良 二郎品川 長夫吉見 治石川 周
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1985 年 38 巻 9 号 p. 2622-2629

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抄録

住友化学工業 (株) と日本トラベノール (株) により共同開発された新規乾燥イオン交換樹脂処理ヒト免疫グロブリン製剤, SM-4300の外科領域における重症細菌感染症12例に対する抗生物質との併用療法における効果を検討した。
1. SM-4300の臨床効果は, 著効1例, 有効2例, やや有効4例, 無効3例, 判定不能2例と有効率30.0% (3例/10例) で, やや有効を含めると70.0% (7例/10例) であり, 細菌学的効果は, 菌消失例はなかつたが, 菌交代2例, 菌減少1例, 不変5例, 不明4例であつた。
2. SM-4300の投与された全12例中, 本剤によると思われる自他覚的副作用は臨床検査値異常を含めて1例も認められなかつた。
3. SM-4300投与前後の免疫学的パラメーターとしてIgG, IgA, IgMなどの推移について検討したが, 一定の傾向は認められなかつた。

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