The Japanese Journal of Antibiotics
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外科領域における重症感染症に対する乾燥イオン交換樹脂処理ヒト免疫グロブリン (SM-4300) の臨床使用成績
太田 潤冨田 和義木村 正治藤田 昌英上田 進久奥村 堯田口 鐵男木本 安彦塚原 康生
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1985 年 38 巻 9 号 p. 2638-2646

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抄録

ヒト免疫グロブリン (以下γ-G1. と略す) 中の特にIgGは, 細菌ウィルス及び原虫に対して幅広い抗体活性を有しており, 免疫不全症候群や重症感染症における抗生物質との併用において有用性が認められている。
γ-G1. 製剤は, 筋注用製剤の開発にはじまり, その後, 安全且つ有効な静注用薬剤の研究がすすめられペプシン処理γ-G1. 1), プラスミン処理γ-G1. 2), スルポ化γ-G1. 3~6)などが開発された。しかし酵素処理した製剤では血中の半減期が短く, 又, Fc活性を期待できず, スルホ化した製剤ではFc活性回復に時間を要するなどの欠点があつた。その後これら変形を受けない (Intact) γ-G1. としてポリエチレングリコール処理γ-G1. が開発され, すでに臨床的に広く使用されている7, 8)。
今回治験を行つたSM-4300も, 乾燥イオン交換樹脂処理によるIntactγ-G1. であり, 一層安全且つ有効なγ-G1. として期待されている。今回われわれは, このSM-4300を外科領域における重症感染症患者に使用する機会を得たので, その成績を報告する。

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