The Japanese Journal of Antibiotics
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Ceftizoximeの感受性ディスク法に関する検討
金沢 裕倉又 利夫松本 清幸
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1986 年 39 巻 1 号 p. 79-86

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抄録

Ceftizoxime(CZX)は藤沢薬品工業株式会社中央研究所において合成された新しい注射用セファロスポリン系抗生物質で, 7-アミノセファロスポラン酸の3位に置換基がなく, 7位の側鎖にメトキシイミノ基を持つ特徴的な化学構造であり, 本剤は広域抗生物質であるが, 特にグラム陰性桿菌に対する抗菌力が強く, インドール陽性Proteus, Serratia, Citrobacter, Enterobacterにも抗菌作用を示し, 各菌種のβ-Lactamaseに対して安定であると報告されている1~3)。
今回われわれは, 臨床検査としてのディスク法による感受性測定法を検討したので報告する。
CZXのように新しく出現した薬剤の臨床的な感性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度(MIC)値の基準は全く不明で, 暫定的には推定される体液中有効濃度との関連から一応の基準が論ぜられたとしても, 最終的には多くの起因菌について得たMIC値と, 薬剤投与による臨床効果との集計の上に将来定められるべきものであり, 従つて現時点においては適当に規定された実験条件でのMIC値を推定することが, 臨床的感受性検査の目的と考えられる。この目的に添うように, すでに金沢4~7)により設定されたMIC値の推定を目的とするSingle-disc法による各種化学療法剤の感受性測定法についてたびたび報告してきたが, 今回はCZXについても本法が適用されるかどうかを検討した。

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