The Japanese Journal of Antibiotics
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クラミジア性尿道炎に対するDoxycyclineの臨床効果
伊藤 康久加藤 直樹武田 明久兼松 稔坂 義人西浦 常雄酒井 俊助藤広 茂土井 達朗鄭 漢彬波多野 紘一
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1986 年 39 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

Chlamydia trachomatis陽性の非淋菌性尿道炎21例にDoxycyline (DOXY, Vibramycin ®) を投与し, 臨床的効果を検討した。症例は17~52歳の男性で, 投与量は1目200mg分2, 投与期間は原則として2週間とした。C. trachomatisは3日目で89% (8例/9例), 7日目以降の判定では全例で消失した。自覚症状は7日目で83% (10例/12例), 14日目以降で100%消失した。分泌物は肉眼的に7日目で92% (11例/12例), 14日目までに100%消失した。総合臨床効果は3日目, 7日目, 14日目でそれぞれ44% (4例/9例), 83% (10例/12例), 100% (9例/9例) の有効率であつた。自他覚的副作用はいずれの症例にも認められなかつた。本剤はクラミジア性尿道炎の治療に非常に有用且つ安全な薬剤と考えられた。

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