1986 年 39 巻 11 号 p. 2914-2925
感染症の起炎菌は, 医療の進歩や新しい抗菌剤の出現により大きく変貌を遂げてきた。このような変化に対応するために, 感染症の起炎菌を分離し, その菌種の変遷や, 感受性の推移を検討することは, 疫学的に重要であると思われる。
私どもはすでに1981年度及び1983年度の呼吸器感染症患者から分離された菌株の感受性について検討を行い, それらの結果を報告した1)。更に, 1984年度の分離菌についてもその背景因子, 薬剤感受性について検討し, 比較を行つたので報告する。