1986 年 39 巻 4 号 p. 1076-1086
Cefixime(CFIX)は藤沢薬品中央研究所で開発された新しいCephem系の経口用抗生物質で, Fig. 1のような構造式を持ち, 7-Aminocephalosporanic acidの3位側鎖にVinyl基を7位側鎖にCarboxymethoxyimino基を有する。
本剤の特長として, 従来のCephem系, Penicillin系経口用抗生剤と異なり各種のβ-Lactamaseに安定で, グラム陽性菌及び陰性菌に広範な抗菌スペクトラムを有し, 特にグラム陰性桿菌に対しては優れた抗菌力を示すという点があげられている1~3)。
成人領域での本剤の使用成績では, 前述のとおりの抗菌力, 及び持続的な血中濃度の上昇と尿中排泄等が報告されている4)。今回我々は小児における本剤の吸収・排泄を含む基礎的, 臨床的検討を行う機会を得たので報告する。