The Japanese Journal of Antibiotics
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硫酸イセパマイシン (Isepamicin, HAPA-B) の体内動態に関する研究
II.ラット連続投与時の蓄積性の検討
鈴木 忠清芹澤 和憲宗宮 善典志良以 まりよ遠藤 里子森下 真孝
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1987 年 40 巻 1 号 p. 202-207

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抄録

硫酸イセパマイシン (lsepamicin, HAPA-B) を25mg/kg, 1日1回, 8日間及び15日間, ラット筋肉内及び静脈内に連続投与し, 本薬剤の蓄積性に関する検討を行つた。
血漿中濃度推移は両投与経路とも単回投与の場合とほぼ同様であり, 連続投与の影響は認められなかつた。
組織内濃度は両投与経路とも連続投与することにより, 特に腎において顕著な上昇が認められ, 各回投与後24時間の腎内濃度は初回投与に比べ, 8回投与後で3~4倍, 15回投与後で4~5倍に上昇した。両投与経路とも8回投与後までの上昇に比べ, 8回投与以後の上昇は緩徐であつた。
一方, 腎からの消失速度は連続投与しても単回投与の場合と同様で緩徐であつた。
腎以外の組織 (肺, 心, 脾, 肝) では若干の蓄積傾向が認められたが, これらの濃度は腎に比べ極めて低値であつた。

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