1987 年 40 巻 7 号 p. 1253-1258
産婦人科領域の術後感染予防に対し, Latamoxef (LMOX) とTobramycin (TOB) を81例に投与し, 感染予防効果と安全性について検討し, 以下の結果を得た。
1.単純子宮全摘術を施行した61例でのFeverindexは3.38±2.30degreehours, 帝王切開術例 (12例) では3.21±3.84degreehoursを示し, その他の手術群 (8例) で3.53±2.78degreehoursを示した。
2.術後の臨床検査値の変動では, 血液一般, 肝・腎機能で異常は認められなかつた。vitamin K欠乏時に出現する異常プロトロンビン (PIVKAII) の術後14日目の出現率は3例/32例 (9.4%) に認められた。
3.術後4~6日目に下痢症状が7例/81例 (8.6%) に認められたが, 他の自他覚的副作用は認められなかつた。
LMOXとTOBの併用投与法は術後感染予防の面からみて, 高い有用性と安全性が示唆された。