The Japanese Journal of Antibiotics
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慢性複雑性尿路感染症に対するAstromicinの点滴静注投与による臨床的検討
鈴木 恵三高梨 勝男長久保 一朗清崎 寛名出 頼男
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1987 年 40 巻 7 号 p. 1299-1310

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抄録

Astromicin (ASTM) を1日200~800mg, 点滴静注 (i.v.d.) により22例の慢性複雑性尿路感染症に投与して, 有効性と安全性について検討した。UTI薬効評価基準では21例が評価可能であり, 有効15例 (著効6例, 有効9例), 無効6例で有効率71.4%を得た。菌種別ではグラム陰性桿菌 (GNR) のうちEscherichia coli, インドール陽性変形菌, Serratia marcescensなどに優れた除菌率を得たが, Pseudomonas aeruginosa2株については無効であつた。
安全性では投与後3日目から頭痛を訴え, 5日目で中止した例が1例あつたが, この他では本剤による副作用をみなかつた。副作用をみた例では, 中止後無処置で1日後正常に復した。末梢血, 肝・腎機能検査では全例本剤に基づく異常をみなかつた。
ASTMを慢性複雑性尿路感染症に対する治療に点滴静注で投与し, 有効性と安全性について優れた成績を得た。

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