The Japanese Journal of Antibiotics
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Oxacephem系抗生剤Flomoxefの小児科領域における2, 3の検討
佐藤 肇成田 章中澤 進一鈴木 博之松本 貴美子中西 好子中澤 進新納 憲司中田 義雄
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1987 年 40 巻 8 号 p. 1349-1363

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抄録

Flomoxef (FMOX, 6315-S) を使用しての一連の検討を行い以下の成果を得ることができた。
1.最近分離したStaphylococcus aureusに対するMICは大半≤0.39μg/mlで, Cefotaxime, Cefotiam, Cefmetazole, Cefamandole, Cefazolin, Benzylpenicillin, Ampicillin, Methicillinより活性が高く, Latamoxef (LMOX) が≥12.5μg/mlの耐性株に対しても活性を示した。
2.Escherichia coli, Salmonella spp.に対するMICは大半≤0.20μg/ml, Vibrio parahae.mlyticusに対するMIC 0.78~6.25μg/ml, 百日咳菌に対するMICO.20~1.56μg/ml, Listeri amnocytogenesに対するMIC6.25~12.5μg/mlであつた。
3.20~40mg/kg1時間点滴静注時の血中濃度は1時間21.5~27.5μg/ml, 2時間6.00~7.81μg/ml, 5時間0.37~0.59μg/ml, T1/2 (β) 0.61~0.83時間, 20mg/kgOne shot静注では3~10分後56.7~90.2μg/ml, 6時間0.20~0.26μg/ml, T1/2 (β) 1.22時間で6時間までの尿中排泄率は60.8~79.8%であつた。
4.治療症例計32例中, 上, 下気道感染症, 化膿性疾患が大半であつたがFMOX1日41~119mg/kg, 3~4回分割, 4~13日間の静注によつて有効以上が97%, やや有効以上では100%であつた。LMOXその他のいわゆる第3世代Cephem系耐性菌の証明された症例に対しても有効であり, 起因菌の証明された総症例からは本剤の投与によつて大半5日以内に除菌された。
5.副作用としては3例に軟便, 1例に一時的なGOT, GPTの上昇と1例のGPTだけの上昇がみられたが使用を中止後いずれも速やかに快復した。

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