1988 年 41 巻 1 号 p. 1-9
Nornoxacin (NFLX) の呼吸器感染症における基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1. 臨床分離株に対する本剤の抗菌力の検討では, Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenesに対するMIC80は1.56μg/ml, Haemophilus influenzae 0.05μg/ml以下, Klebsiella sp., Enterobacter sp.は0.10μg/mlと強い抗菌力を有し, S. pyogenes以外ではAmpicillin, Cephalexinより優れていた。
2. 呼吸器感染症32例に対する本剤の臨床検討では, 著効9例, 有効12例, やや有効9例, 無効2例で, 有効率は65.6%であつた。このうち, 扁桃炎, 急性肺炎では100%の有効率を示したが, 下気道感染症の有効率は57.1%であつた。又, 本剤による副作用及び検査値の異常は1例も見出さなかつた。