The Japanese Journal of Antibiotics
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新生児, 乳児におけるImipenem/Cilastatin sodiumの臨床投与成績と薬物動態
坂田 宏梯 仁志藤田 晃三室野 晃一帰山 雅人岡 敏明吉岡 一佐々木 暢彦森 善樹丸山 静男印鑰 史衛
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1988 年 41 巻 11 号 p. 1650-1656

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抄録

Imipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を23例の新生児及び幼若乳幼児の感染症患者に投与し, その臨床効果と副作用及び薬物動態を検討した。臨床投与成績は16例について検討した。本剤の適応と考えられた敗血症3例, 髄膜炎1例, 肺炎1例, 敗血症疑い11例における投与成績は著効2例, 有効12例であった。副作用は合計23例について検討したが, 臨床上, 下痢と潮紅が1例ずつ, 検査値異常ではGOT, GPTの上昇が1例, GOTだけの上昇が2例にみられた。
薬物動態は7例で検討した。IPM/CSを20mg/20mg/kg (以後IPMの量だけ表す) を30分と60分で点滴静注した例がそれぞれ3例, 10mg/kgを60分で点滴静注した例が1例である。20mg/kg投与症例のIPM血清中濃度は点滴静注終了時で18.0~96.9μg/ml,CSは31.7~144.5μg/mlであつた。血清中半減期はIPMが1.2~2.0時間, CSが1.4~2.7時間であった。尿中回収率は5例で検討したが, ばらっきがあるものの0~6時間でIPMが12.5~26.3%, CSは14.9~57.6%であった。髄膜炎の1例で第3病日と第7病日に髄液の移行性を検討した。投与後, 2.75時間と3.5時間でIPMの髄液移行性はそれぞれ23.8%と19.1%であった。CSは検出されなかった。

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