1988 年 41 巻 11 号 p. 1774-1777
我々はImipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) を産婦人科周産期感染症の症例に使用し, その有効性と安全性を検討し, 以下の結果を得た。
1. 産褥子宮内感染7例, 腎盂腎炎3例の計10例にIPM/CSを1回0.5g/0.5gを1日2回点滴静注した。著効1例, 有効9例, 有効率100%の成績であつた。
2. 細菌学的効果は8例から分離された14株の検出菌について検討した。12株が消失したが, 2株は存続。菌消失率は85.7%であった。
3. IPM/CSを投与した10例, 及びその後に出生した新生児のいずれにも副作用, 臨床検査値異常を認めなかつた。